★素晴らしい試合でした

 前節の京関戦は、捨て身の作戦が通用しなかったところがありましたが、この試合は、とてつもなく強いギャングでした。QB小原君やRB岡部君が大活躍です。オフェンスラインも素晴らしかったです。
 さらに、ディフェンスは申し分ありませんでした。立命館の強力な攻撃を完全に止めていました。
シーズン前半を苦戦したチームとは思えない完勝です。スコアは20-2ですが、2点は相手にわざと与えたものです。本当に危なげない鉄壁のディフェンスでした。立命館とは、春には善戦していましたが、まさか、ここまでやるとは正直予想していませんでした(失礼)。

(試合前)
 金曜日の夜ですので、会社帰りの人は少し遅れる人もいたかもしれませんが、その分、学生さんが多く来ていました。きっと、アメフトの魅力を存分に堪能してくれたことでしょう。
 ユニホームは上下とも白です。この組み合わせはJV戦の時以来でしょうか。真っ白な気持ちで臨んだに違いありません。恒例の集団ランニングの後、すぐに散らばっていたのですが、ゆっくり弧を描くように進んで、大きな円陣を組みました。ここで、ラグビーの試合前に行われる「ハカ」のように皆で踊り?ながら士気を高めていました。写真にも撮っていますので、また見てください。いつもとは違う雰囲気のギャングでした。


上下白のユニホーム(公式戦では初)

円陣を組んで士気を高めます(初めて見ます)


(1Q)
 京大はコイントスに勝ちましたが、後半チョイス。ディフェンスに相当自信を持っているのでしょうか。
最初のキックは、#29吉村君がボールより先に出てしまい、オフサイドの反則。これは気合が入っている裏返しです。5ヤード戻っての蹴り直しですが、京大ラッシュも素晴らしく、リターンを許しません。立命の最初の攻撃はラン。RB#21井上君はランフェイクでQB#9山口君がもって走ります。しかし、ディフェンスは落ち着いています。きっちり止めます。次も井上君のラン。ディフェンスが固く、ゲインできません。なんと、立命の最初のドライブは3&アウト。野球で言えば三球三振のようなものです。
 立命パントでフォルススタートの反則。さらにキックは上に上がり、あまりリターンはできません。
京大の気迫の前に、立命館は何か歯車がうまく回っていない感じがします。50ヤード付近からの京大最初の攻撃。RB#27岡部君が9ヤードくらい走って1stダウン更新目前。京大はノーハドルで簡単にフレッシュ獲得。岡部君が面白いように走ります。パスを受けます。相手陣20ヤードまであれよあれよという間に攻め込んでいきました。しかし、小原君から岡部君のショベルパスがうまく決まらず4thダウンになります。ここでFGを選択。K#85大塚君がFGを決め、3点を先制します。オフェンスが機能して、きっちり最初のドライブで得点しました。見ている方は、今日の試合は何かが違うと予感させられます。
 次の立命の攻撃シリーズは、ずるずると進められ、京大陣奥深くまで攻め込まれてきます。あと8ヤードくらいでしょうか。ここからLB#48白石君、DL#5織田君などのサックでロスさせます。結局、立命もFGトライ。
 しかし、京大のプレッシャーも効いているのか、FG失敗。関学戦で見せたスペシャルチームの活躍が思い出されます。FG失敗した地点から京大の攻撃。1Q残り1分、4thダウン3となって、京大パントに。ここで林田君が入っきます。それを見て立命館が混乱しています。前回の関学戦でパントフェイクを4連発した京大です。慌てて立命館がタイムアウト。完全に京大がゲームを支配しています。結局、林田君はフェイク?で大塚君が蹴ります。しかし、大事なタイムアウトを使わせられた立命館はショックでしょう。大塚君の蹴ったボールも転がりよく、相手陣5ヤードくらいからの攻撃です。


RB#27岡部君のラン

RB#35田嶋君のラン

K#85 大塚君が先制のFGを決める

必死のディフェンス(井上君を止める)

パントの時、林田君が出てきて相手が混乱


(2Q)
 立命館攻撃続かず、京大攻撃に。岡部君が走ります。そして岡部君のワイルドキャットと見せかけて、RB#35田嶋君にハンドオフ。田嶋君は相手タックルラーを吹っ飛ばしながら中央突破。1stダウン更新。ノーハドルで、ここでフリーフリッカーのスペシャルプレー。田嶋君がランフェイクに入って、小原君から岡部君にバックパス。そこからWR#1河野君にロングパス。立命館DBは、ボールではなく河野君に向かって止めに入ります。これがパスインターフェアの反則を誘いました。
 ノーハドルでどんどん攻めてきます。防戦一方の立命館ですが、さらにWR#83山本君にロングパスが決まり、相手陣20ヤード付近まで。立命館のディフェンスは強力なはずですが、こういう早いテンポの攻撃にアジャストできない弱点が露呈されました。
 WR#83山本君へのTDパスは相手DBに阻まれ失敗。イリーガルフォーメーションの反則でダウンが重ねられ4thダウンに。ここでFGトライ。大塚君のキックは成功。さらに3点が追加され、6-0となります。その後、ターンオーバーを繰り返し、京大パントで、立命#11頓花君が大きくリターン。ここでイエローフラグが飛びました。またも京大のイリーガルフォーメーションの反則。ボールはさらに前に進められます。エンドゾーンまで23ヤードくらい。
 京大はひるみません。まず、RB井上君を止めました。次のプレーはパス。DL#47伊藤君がQBに襲い掛かります。QB山口君が苦し紛れに投げたパスが頓花君にかろうじて通りますが、ゲインは1ヤードほど。3rdダウン8の状況でTDパスを投げますが、レシーバがSF#29吉村君の強烈タックルでボールを落としてしまいます。京大、この状況でよく守りました。4thダウンになり立命は今日2回目のFGトライ。またも失敗です。得点は入らず攻守交代。残り時間3分。ここで岡部君のビッグプレーが出ます。相手ディフェンダーをかわしながら、約50ヤードほど走っていきます。今度は京大にTDのチャンスが巡ってきました。残り30ヤードで1stダウン。まだ2分ほどあります。
 そして、ここでWR#1河野君へのTDパスを投げます。残念ながら決まりませんが、ここで立命館、ラフィングザパサーの痛恨の反則。15ヤード進んでオートマチック1stダウン。ここまで追い詰められている立命館は見たことがありません。4thダウンになり、またも京大FG選択。残り時間をマネジメントし15秒でタイムアウト。タイムアウトが終わって、今度は立命館がタイムアウト。これはキッカーをじらす作戦です。残念ながらFGは失敗しましたが、前半は完全に京大がゲームを支配しています。6点差なのでTD1発で逆転される状況ですが、不思議なことにその不安はありませんでした。取られても取り返せる気がしてなりません。それほどまでに京大の力が立命館を上回っていました。
 ハーフタイムショーは京都橘高校吹奏楽部の演奏です。踊りながら?の演奏にスタンドは大盛り上がりです。写真をたくさん撮っていますので、また見てください。(動画もあります。ギャングFBより)


パントフェイクのフェイク?

関学戦のイメージが強烈なインパクトに

もはや立命の井上君は完全に封じています

RB#27岡部君が大活躍

まさか?の展開

京都橘高校のハーフタイムショー


(3Q)
 後半は京大リターン。約20ヤード付近から最初の攻撃。岡部君が15ヤード近く走り1stダウン。
京大オフェンスラインもきっちり仕事をします。さらに岡部君が面白いように走ります。さらに田嶋君がパワーで中央突破、さらにさらにTE#88佐々木君がパスを受けて走ります。ボールをお手玉したようにみえましたが、うまく持って走ります。ゴールラインまで20ヤードを切りました。京大、イケイケの状態です。
 そして仕上げは小原君が持って走ります。うまくディフェンスの間を抜け、念願のTD。このドライブは最高の出来でした。PATも決まり、13-0です。さらにリードを広げます。次のキックオフリターンで京大の選手が負傷します。(救急車で運ばれますが大事に至らなかったようでよかったです)
 立命館のパスも京大ディフェンダーのしつこいプレッシャーで荒くなってきました。さらにパスターゲットが見つからず立命館QB山口君がスクランブルに出て京大吉村君の強烈なタックルを受け負傷したようです。(たしか2年前の西京極での試合で、立命館QB谷口君を負傷させたのも吉村君だったような気がします。京大と試合するときは、QBの人は無理をしないでくださいね。)
 QBが変わりましたが、こうなれば京大の餌食です。狼のようにQBに襲い掛かります。4thダウンになり、立命館パントですが、コントロールしたつもりでしょうが、エンドゾーンに入りタッチバック。しかし、、京大も攻撃続かずパント。頓花君が粘ってリターンし、京大陣45ヤードからの立命館の攻撃。と思いきや、ここでイエローフラグ。京大の反則と思いましたが、立命館のホールディングで京大10ヤード進んで蹴り直し。陣地を回復しました。さあ、ここでどんなディフェンスを見せるか楽しみです。ディフェンスを楽しめるくらい気持ちに余裕が出てきました。京大の強烈なタックルが次々襲い掛かります。QB奥村君がボールをファンブルします。それをDB#14小林冬芽君が反応よく確保します。なんとターンオーバー。どうした立命館と言いたいくらいです。
 さらに京大、フリーフリッカー(ノミが飛び跳ねている様子を意味します)。小原君からハンドオフでボールを受け取った田嶋君が、また小原君に戻し、そこから岡部君にロングパスが決まります。小原君、またもキープで大きく前進します。宿敵立命館相手にやりたい放題です。残り8ヤードで、またもスペシャルプレー。小原君がスナップを受けると見せかけて、田嶋君がボールを受け、リバースで山本君にボールを渡し、WR山本君からQB小原君にパス。もう、立命館は何が何だかわからなくなっていると思います。小原君がレシーバーになりました。こんな複雑なプレー、よくも完成させました。
 残り1ヤード。岡部君が一気に突入します。またもTD。立命館も茫然としています。PATも成功し、20-0。接戦はありえたとしても、このような一方的なゲームになることを予想した人は誰もいなかったと思います。

 


TE#88佐々木君がボールをお手玉するも

しっかりつかんで大きなゲイン

後半最初のドライブでQB#19小原君がTD!!

立命館コンビ河野君と喜びをわかち合います

富田君のサック

この後、強烈なタックルでQB奥村君がファンブル

小原君がキープして1stダウンを更新します

スペシャルプレー 田嶋君→山本君

山本君から

小原君にパスが決まります

最後は岡部君がTD

立命館を突き放します(20-0)

 
(4Q)
 いよいよ最終Q。京大ディフェンスは超攻撃的です。LB#48白石君をはじめ皆がQBに襲い掛かります。かつての京大ディフェンスの映像を見ているようです。京大攻撃も、ランを多用して時計を進めます。立命館も残り時間8分40秒で攻撃権を得ますが、RB#21井上君は完全に封じ込められています。
 4thダウンになり、切羽詰まった立命館はギャンブル。こういうシーンは見たことがありません。ここはなんとか成功して1stダウン更新。残り時間は6分半。立命館ロングパスが決まり京大陣25ヤードまで。さらにパスを投げますが、なんと吉村君がパスコースを読んでインターセプト。ビッグプレーが出ます。これで立命館はガクッときたことでしょう。この後、京大の反則が出てかなり罰退させられます。ランで時間を消費していきます。たまらず立命館はタイムアウトで時間を止めます。
 4thダウンになり、京大は自陣深い窮屈な場所からのパントを避けます。スナップを受けた大塚君がボールを持ってエンドゾーン内を横に走ります。観客席からは、何が起きたの?という声もありましたが、これは故意にセイフティにしたものです。NFLでも時々あり、今年のスーパーボウルでレイズンズが試合終了直前に行っていました。あの位置からのパントでは陣地を回復することができません。しかも、リターンタッチダウンを奪われる可能性もあります。そこで、わざと2点を献上して、20ヤードからキックオフをして大きく陣地を回復しようという作戦です。非常にインテリジェントなプレーと言えます。「肉を切らせて骨を断つ」と表現すればよいでしょうか。
 焦っている立命館は攻めきれません。4thダウンギャンブルも失敗です。残り時間3分40秒で京大の攻撃権。ラン攻撃で時間をたっぷり使っていきます。パントで攻撃権が立命館に移りますが、試合終了まで1分14秒。もう立命館はタイムアウトを使い切り、時計を止める術はありません。4thダウンで投げたパスをDB#15須藤君がインターセプト。勝負あり。残り時間は33秒です。小原君はニーダウンで時間を流します。応援席は勝利のカウントダウン。5、4、3、2、1、ゼロ! ついにやりました。感激のあまり泣いている人もいます。
 シーズン前半にはピリッとしない部分もあり、厳しいことをいう外野の人もいましたが、今日のプレーは強かった時代の京大を彷彿させるとても気合の入ったものでした。オフェンスが素晴らしく、小原君もノビノビとプレーしていました。ラインもとてもよかったと思います。田嶋君が出てきて、相手は戸惑ったかもしれません。大教大の観戦記にも書きましたが、甲子園球児でもあり、スーパーアスリートです。岡部君も素晴らしく、相乗効果で立命館を翻弄しました。
 キッキングチームも、よくがんばりました。大きなリターンをあまり許していません。そして最大の立役者はディフェンスです。相手に入った2点は、わざと献上したもので完封したといっても過言ではありません。しかも、とても攻撃的なディフェンスだったと思います。今日は完璧なまで相手を打ちのめしました。2000年以来、13年ぶりの勝利、おめでとうございます。


SF#29吉村君がインターセプト

喜びのあまり、こぶしを突き上げます

この後、大塚君のNFLばりの故意のセイフティ

残り時間わずかになりました

最後のパスはDB#15須藤君がインターセプト

小原君がニーダウンで時間を流します

小原君はきっと万感の想いでしょう

みんな、本当によくやりました


 小原君、小原君のご両親はどんな想いで、この勝利を感じられているでしょうか。つねに立命館出身を意識しながら、いつかは倒すという念願の想いがとうとう達せられました。想いは叶うということです。
 いよいよ11/24は長居での最終戦。関大に絶対に勝ってください。


1Q

2Q

3Q

4Q

京都大学

3 3 14 0 20

立命館大学

0 0 0 2 2

写真(下記をクリックしてください)

 (試合前)
 (前半)
 (京都橘高校吹奏楽部による演奏)
 ( ↑ 動画 ギャングFBにリンク
 (後半)
 (試合後)

(メンバー表)
 ★京大メンバー表

 rtv


 (2013.11.8作成、11.9一部修正)


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